泳ぐように生きた ここに 浮いていられるだけでやっとだった いままで押し殺してきた 幾つもの 幾つもの 行くあてもない 感情 言葉 それは宇宙の塵となって 油絵の具を溢したような 深い夜の闇のなかを横切ってく 流れて落ちてゆくさきは、いつだって 海の底だった おなじ生命( いのち ) が揺れている わたしはいつだって そこへ帰りたいと思っていた どうか、身体ごと海の水のなかへと流してほしい、 わたしは どこか、世界の果てのような美しい海の底を泳ぐ人魚で 海面の一際鮮やかな青でなく 海底の、最も青の濃度の濃い、光も通さないほどの深い、闇のような 澄んだ青を目指し 泳いでゆくの ずっと ずっと 誰の手も触れられない場所へ 永遠をさがしに |