彼女の日記には余白がつづく 隙間なくノートを埋める文字はじんわりと滲んでは消えてしまう 矛盾に矛盾を繋いで混沌としたモノクロ なみだで文字を消して 消しかすをまき散らして 登場人物は少しずつ消えてゆく あなたはつまらないひとね、だから、なに? みんなやさしいから、はっきりとは口にしません なにもない、ざんがいだけを残して散らかして まっしろさら、まっしろさらさら、消えてください 積み重なったすべてがこわれる そのまっしろの余白のなかに深い深い真っ黒い空洞が見えた 泣いたってもうだれもいない、 もうだれもわたしをみていない、 わたしの価値はどこにあるの なにをしていてもどこにいてもわたしに価値なんてうまれない、 もう駄目になった、ぜんぶ駄目になった、 死ねればいいな、消して、消してください ( だから、なに、なんだっていうんですか ) |