何も持たずに外に出る。所有せずに生きる。できる限りじぶんの所有するものは、少なくありたい。 MP3プレイヤーにいれてもちあるく音楽みたいに。それからわたしの人生が凝縮された一冊の文庫本、ジーンズの後ポケットにでも軽く折り込んでしまいこみ、そしてそのまま旅に出たい。いつか死んだとき、ぼろぼろになったそれだけがのこる。もちものは、たったそれだけ。それだけをもってわたしは死ぬ。真冬の真夜中、公園のブランコのうえ、ときどきそんなくだらないことを考える。星がきらきら瞬いていた。
ボロボロの文庫本(20101212)



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