これからなどいらない、そうちいさく呟いて、 わたしはマンションの7階から飛び降りようとしていた 雲ひとつない快晴の空と穏やかな風になびく髪 いままでのことを噛みしめて、わたしは7階の屋上でへたり込み、泣きじゃくった フェンスの向こう側を飛び越えて、足を踏み入れることができなかった どこかの家の、白い洗濯物が揺れているよ もう、うんざりなの、うんざりなの 濃く深い霧がその先の未来を覆っている なにもみえない おねがいかみさま わたしをころして 涙で濡れたまつげの隙間に 柔らかな空がひろがっていた 20120506 |